殉教者雑感

 

 またしても、何かと殉教者を話題にすることの多い週だった。今回列福される188名のうち、183名までが信徒だ。 今日は、50名以上の女性の前で、殉教者についてのプレゼンテーションをしたのだが、改めて、今回列福される人のほとんどが信徒であることと、その中に女性が含まれていることの意味深さを感じた。皆さんにとって、外国人の聖職者よりも日本人の信徒の女性を身近に感じるのは、当り前だろう。

 あなたの後ろ姿は、子供たちに、孫たちに、イエス・キリストこそ私たちを真の命に導く方である、という確信を語っているだろうか?これは、もちろん司祭方にも、我々修道者たちにも投げかけられるべき問いである。

 橋本太兵衛の妻、テクラや小笠原みやといった女性たちの存在によって、「やっぱりわたしは殉教者とは縁遠い」とがっかりするのではなく、彼らと、彼女らと親しくなってなにか力をもらえるなら、こんなにうれしいことはないなあ、と思う。

 殉教者列伝にありがちな、あまりにも崇高で、清らかな顔だけでなく、私たちの日々の信仰生活に力を与えてくれるようなそんな出会いをしたい。してほしい、と願う一日だった。


山本きくよ