おついたち。諸聖人の祭日

「きょうはおついたちだから」という言葉を、家族、特に亡き祖母の口から何度も聞いた、その響きを思い出します。だからといって特別なおやつをもらった訳でもないのですが、田舎育ちの祖母が「お」を付けて呼ぶことに、何か特別さを感じていました。


友人や家族をはじめ、かかわりのある、亡くなられた方どなたでも記念するために、その方々のお名前を芳名帳に記入する作業が今、共同体で行われています。郷里の仏壇の過去帳は、月は書かれてなく、「一日」から始まって「三十一日」で終わります。そこに命日の家族の名前が書かれています。祖母はこれを最初の頁に戻しながら、「おついたち」と言っていたと思われます。


先月、とても親しかった姉妹が帰天しました。遠く離れている彼女には、聖母に取次ぎを願うことだけが付き添えることでした。「今」と「死を迎える時」はこれまで私にとって、何かそれぞれ別個の、「今は今」と「後で」とでもいうような語感でしたが、彼女を想ううちに、これら2つの[時]はどちらも[今]なのかも知れないと思うようになってきています。


聖母マリアが祈りを約束して下さって、そこへ全ての聖人たちが、「そう、私達もマリアと一緒に祈っているからね」と声援を送ってくれています。先立たれた方々が、そこに加わります。神様に、誰もが、最終的に出会うまで。

Kaoru-s