サンシャン島から江戸へ

私が最初に出会った宣教師は、幼稚園の先生でした。
庭の砂埃を吸い込みながら一緒に夢中で遊びました。

大分後になってから知ったことですが、中国の共産政権の台頭によって国外退去を余儀なくされ、以後日本にとどまったということです。今は天国におられます。


この園長先生と同じ修道会の司祭に、3年ほど前にお会いしました。地球儀でそれまでの生活の場を指でたどって驚きました。南米からアフリカ、ヨーロッパ、そしてアジアへ。地球を縦横に巡っておられたのです。

この方は先々月、次の地へ張り切って旅立って行かれました。もっと司祭がいない所があるから、と。70才を過ぎてこそ、新しい出発ができるから、と。


1552年12月3日にザビエルがサンシャン島で中国への入国を夢にみながら天に召されてから71年後の1623年12月4日、江戸は札の辻でヨハネ原主水を初めとする日本人と外国宣教者を含む50人が殉教を果たしました。


「元和9年12月4日
江戸刑場にて死ぬる前に群集に向って云った原主水の最後の辞
私は我が贖い主、又我が救い主であるイエズス・キリストの為苦しみまたそのために死にます。
イエズス・キリストのお答
我を信ずる者は決して死する事なし ヨハネ11の26」
(『パライゾの寺にまいろうや』高輪教会青年会62ページ)


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