誰と話して?

次の用事の時刻までに時間が空いてしまい、とある教会の小聖堂に入った。

平日の教会、それも小聖堂とあってか、静かだ。
程なくして、誰かが入ってきた気配がし、ひそひそと声が聞こえ、それがなかなか終わらない。

いったい誰と話しているの?正直のところ、心は穏やかではなくなってくる。思い切って振り向くと、1人の女性がロザリオをささげ持って祈っている。
そのシルエットの優しさに思わずうっとりした。次に私がしたのは、彼女に近寄って、「お邪魔してすみません。そのロザリオの、仲間に入れていただけませんか?」と、見ず知らずの方の祈りを妨げたことだ! その眼が微笑んで、「ええ、よろこんで」と、隣のイスにかけさせて下さった。

彼女は、1連ごとに、ケイタイの画面に表示させた短い黙想への招きを朗読してから先唱を始めた。その内容も助けになったが、それだけでなく、いつも持ち歩く携帯電話の中に祈りを「携帯」しておられることに感心した。これは工夫だ。

あなたは神様と、そしてマリア様と話していたんですね。
30分位の間、結局私がこの御聖堂を独占してしまいました。

お陰で、1人で祈るのはよし、誰かと一緒に祈るのはまたよし、を体験させていただきました。
ごめんなさい。そしてありがとう。

Kaoru S