一日巡礼

新緑に目も心も潤されるこの季節になると、第3修練中に参加したシャルトル巡礼を思い出します。ボース平野は満開の菜の花と青々した麦畑が広がっていました。この大自然に自ずと皆が心を開きます。所々に人知れず咲く野の花に心を寄せる注意深さも歩く者の心の内に生まれます。私の参加したグループはナンテール大学の学生が中心でした。巡礼のテーマは「人を受け入れ神に出会う」というものでした。今なお、このテーマが私の中に響くのも、私たちの日常、日々の共同体生活の味でもあるからでしょう。
          
      

先週末、数名の祈りたい方が修道院で祈られました。市谷の近辺は東京砂漠の中でも比較的緑が豊かで静かです。
ちなみに私の部屋の場合、木々の緑が窓辺を覆い隣の建物を塞ぐので、部屋の窓枠(1メートル×80センチ)の小さな新緑の構図は、大きなボーズ平野の盆栽のようです。豊かな自然との触れ合いの場であり、心の自由へと招きます。
この環境を祈りたい方に分かち合いました。
黙想者の方々は、日常の場から離れ、新緑の中で、祈りを通じて、日々の生活を読み直す自由で質のある時間を過ごし神に出会う一日巡礼となったようです。

               


主の家に行こう、と人々が言ったとき、
わたしはうれしかった。

わたしは言おう、わたしの兄弟、友のために。
「あなたのうちに平和があるように。」

 (詩122:1・8)


Taeko H